120以上の工程を経て作るということと共に、時間をかけて造り上げることが大変重要です。
漆の持つ豊かな潤いのある艶は、1日ではできません。
ひとつ一つの作業に必要な『時』があります。
技術の進んだ現代といえども、古(いにしえ)の製法となんら変わりないのです。
もちろん、5度の“研ぎ”と“塗り”をたった1度にしても、製品はできます。
しかしながら、漆アートジャパンでは、大切にお客様の一点をお造りしたいと心より思っております。お客様の漆アート額がどのように仕上がっていくのかを、ご報告しながら、ご一緒に『時』を楽しく過ごしていただけたら幸いです。
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商品を決定され、ご注文頂いた場合に「お見積もり書」「ご予約金請求書」をお送りいたします。ご予約金の受領を持ちまして、正式に漆アート額の制作に入ります。 |
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ここからが、大崎庄右ェ門氏の出番です。 |
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額の指し物屋に、天然木の原型制作を依頼します。素材は100%ナチュラルです。 |
自然の樹木には、それぞれ個性があります。 その個性を読み取りながら、徹底した手加工で額を仕上げていきます。木地は数週間から3か月ほど燻煙して乾燥させます。時間はかかりますが、そうすると、時間が経っても形に狂いがでません。これは、器の場合も同じです。
この写真は椀生地やさんです
漆製品は作る品によって、椀生地や、指し物や、朴生地や、曲げ物やと別れます。 丁寧な手仕事と、丹念な生地づくり、そして“次の人に迷惑をかけない”仕事ぶりは同じです。
これは漆アート額の木地。
ガラスが入るタイプを制作中です。
木の種類は档。あて、あすなろとも言います。輪島のある、石川県の県木です。
3. |
しっかり下地づくりをします。 |
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5度の塗の前に、準備が下地作りです。
品質に一番差が出るのがこの下地づくりと言われています。
あらかじめ、傷つきやすいところに下地付けの工程ごとに生漆を塗る「地縁引き(じぶちびき)」、 つまり下地の前の下地づくりが行われるのです。 見えないところにも細やかな配慮をする工程の差が、のちのちの評判となるのです。 ご存じのように、輪島塗は日本で唯一、重要無形文化財に指定されている塗りものです。
輪島独特のこの下地作りに対する心意気が高い評価と結び付きます。 「縁欠けなどは、許せない」大崎氏とともに老舗を支える奥さまからお聞きした力強い言葉でした。
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ここからが、本格的な漆の工程「本堅地(ほんかたじ)」です。 |
布着せをして補強した上で、下地材の「地の粉(じのこ)」を用い、一辺地、二辺地、三辺地と下地付けを繰り返して漆を塗り重ねます。
正確には(1)一辺地付け→(2)一辺地磨き→(3)二辺地付け→(4)二辺地磨き→(5)三辺地付け→(6)三辺地磨き→(7)地研ぎ
およその目安はひと塗り2週間です。三辺地の塗りだけでざっと6週間です。塗ってねかせ、塗ってねかせの積み重ね三日寝かせるより十日寝かせるほうが丈夫になります。
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5. |
本塗り 塗った漆は乾くのではなく、「固まる」。 |
湿気を含んだ空気を吸わせて、固まっていくのを待ちます。 待つ時間が面倒だから一回で済まそうと、漆液を厚く塗ると、いつまでも固まりません。 空気に触れないと固まらないのです。
6. |
寝かせる時間 |
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十日寝かせるより半月、半月寝かせるより半年、半年寝かせるより・・・もっといいものがほしい方は、「寝かせる」時間を大切にしてください。
「寝る子は育つ」といいますが、十分寝かせた漆器には、丈夫になります。 もし、あなたが待つ時間を惜しんだとしたら・・・漆がダレたり 縮んだりしてしまいます。
本来は、1年ねかせるのが良いといわれています。
7. |
漆アートジャパン到着 |
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十分寝かせた漆塗りが漆アートジャパンに到着すると、いったん皆様にご報告をし、請求書をお送りいたします。ここでご清算をお願いしております。いよいよ金具と織物生地の装着です。
8. |
金具装着 |
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漆アート額ですと四角にも菱形にもお使いいただけるよう、3か所に工夫して付けております。ご要望がありましたら、御遠慮なくこの時期にお知らせください。
恐れ入りますが、壁面の金具は各商品の重量を参考に、お客様自身でご準備、ご装着いただきますようお願い申し上げます。
9. |
正絹手織物生地貼作業 |
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織物生地と漆額を接着します。
接着剤の乾燥のため、1日お待ちください。
10. |
出来上がりのご連絡 |
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すっかり出来上がりましたら、メールに画像をつけてご連絡いたします。
11. |
お客様のお手元へ |
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ご希望の日時につくよう、発送いたします。長い間、お待たせいたしました。